風都探偵第9話「最悪のm 1/戦姫のボディーガード」内容と感想

前回

第8話「tに気をつけろ+α/住み着いた魔女」

内容

─鳴海探偵事務所

あくびをしながら出てくるときめ。

作業をするフィリップと挨拶を交わす。

「おはよう…」

「やあ、おはよう。」

「翔太朗と所長さんは?」

「彼の探偵助手を始めたのに連絡をもらってないのかい?」

「まだ連絡の道具がない。」

「納得の理由だ…。」

「もしかして、私、フィリップには歓迎されてない?」

「そんな事はない。君の閉ざされた過去には興味を禁じ得ない。ゾクゾクするよ。」

(いけない…またこんな言い方をしてしまった。

 『そういうマッドサイエンティストみたいな言い回しはよせ』って

 いつも翔太朗に注意されてるのに…)

慌ててときめを見るフィリップ。

「私は、あんたの実験動物か何か…?」

(…遅かった…)

その日、俺は急な依頼を受け、亜樹子とともに話を聞きに行っていた。

相手はでっかいビルの高層階にオフィスを構える、

マックスソフトというゲーム会社のプロデューサーだ。

「殺人予告!?」

マックスソフトエグゼクティブプロデューサー、真島伸太郎は言う。

「ぜひ鳴海探偵事務所さんに警護をお願いしたいのです…!!」

「ウチの風祭メグ、ご存知ですか?」

「ええもちろん。そっちは?」

「あんまゲームにゃ詳しくないけどこの子は知ってるさ。

 たしかキャンペーンガールみたいな子だよな。すごい人気なんだろ?」

「『モンラド』…『モンスターエルドラド』の愛称ですが、

 もともとウチが風都発の会社なのでゲームの舞台がこの街なんですよ。

 風都の各地に出現する魔界のモンスターを倒し、

 能力を取り込んでプレイヤー同士が戦いあっていく格闘ゲームです。

 最初は大型のアーケード筐体からスタートしましたが、

 おかげさまで大人気となり、今は家庭用、モバイルゲームなどに幅広く展開しています。

 メグはゲームのヒロインで、風祭は最初単なるコスプレイヤーだったんですが、

 SNSでたちまち評判になり、今ではイベントの司会からイメージソングまでこなす

 超人気アイドルになりました。」

カチャカチャカチャカチャ…

「…おい、森口。お客さんの前だぞ。仕事は後にしろ。」

「あたいがやんないと、来週のモバイル版のアップデートが間に合わなくなりますよ。

 いーんスか?」

「ウッ…」

…うわー、こりゃまたいかにも部屋にこもりっきりな感じの…

女の子なのにダサい恰好しちゃって…ゲームの開発って大変なんだなあ…

「じゃあ、命を狙われているのは、この風祭メグさんなんですね?」

「はい。昨日、社に脅迫状が届いて…」

「三周年記念イベント期間中に、風祭メグに死の制裁を下す。

 警察などあらゆる警護は意味を成さない。我に万能の小箱あり。mより…か。

 万能の小箱…ガイアメモリ…の事か?」

「じゃあ、脅迫者はドーパント…それでウチの事務所に?」

「引き受けていただけますか?」

「もちろん。依頼はお受けします。

 この街の美しきゲームアイドルの危機だ。見過ごしたら男がすたる。」

その言葉に森口という少女が口を開く。

「…キザ野郎。」

「ひどいなー、お嬢ちゃん。まあわかるけどさ。仕事、ハードっぽいもんな。

 こういう華々しい世界の美女を見てたらイライラするのもわかる。うんうん。」

「秘密を守っていただけると信じて、表沙汰にしたくないこちらの事情も教えます。

 探偵さんに警護をお願いするのも…実はこのためでして。」

「?」キョトンとする翔太朗と亜樹子。

「チーム・メグたん!カモン!」

突如現れる5人の美女たち。

「さあ、今日もおめかしするわよお!」

「えっ?」

「わ!やめれ!いやあああ!」

突如現れた美女たちに捕まり強制的に着替えさせられる森口。

「うっ…えええええええっ!?」

「そう実は…『モンラド』のメインプログラマー、ウチの森口もな子こそが、風祭メグなのです!

風祭メグへと変身を遂げる森口。

「う、うわわぁん。またやられたあ…」

あ、あの化粧もしなさそうな女の子が…こ、これえっ?こんな美人だったの?

森口の急激な変貌にあわあわする翔太朗。

「私も驚きました。たまたま一度やらせたら驚くほどイメージ通りで…」

「そ、それじゃあ、もな子ちゃんは本物のゲームを作りながら、アイドルとして宣伝活動もしてるって事お!?」

「あ、あたいだって嫌だったよ。でも、自分の作ったゲームを広めるためだと思って…そしたら人気が出ちゃってやめられなくなって…」

「森口!メグは魔界のお姫様なんだ!『あたい』はやめろといつも言ってるだろ!」

「鬼!マジPの鬼ぃっ!

…ああ、真島プロデューサーでマジPか…

「元気出して、もな子ちゃん。」

「がんばろ!ね!」

「こんなに美人なんだもん!やらなきゃ勿体ないよー。」

「そうだよー。」

「みんながもな子ちゃんを、メグを待ってるの。」

「ヤダヤダヤダ!もうアイドルはヤダああ!」

「いやあ、びっくりしたなーもー。」

「全くだ…なんで警察に通報しねえのかと思ってたけど、

 アイドルの正体があの子だなんてなあ。そりゃなるべく知られたくないよな。」

「って言うよりも、結構ブラックなんじゃない、この会社?

 だってもな子ちゃんは『モンラド』の全ゲームの開発のリーダーなんでしょ?

 ただでさえ仕事ハードそうなのに、イベント活動までやらされたら死ぬって。」

「やめさせらんねー、って事なんだろうな。開発も風祭メグもどっちも…

 いずれにせよ、ちょっとほっとけないぜ、彼女。」

「今日、早速5時からアニバーサリーイベントのサプライズゲストで出るらしいから、

 私こっちで張ってるね。」

「オッケー、頼む。俺は一旦戻って相棒に相談する。」

─鳴海探偵事務所

「う!なんか暑くね、この事務所?」

翔太朗が事務所へ帰ってくると睨み合うフィリップとときめがいた。

「お前ら!なんでいきなり喧嘩してんだよ!」

「喧嘩などしていない。ただの口論だ。」

「そうだね…まだ手も足も出してないし。」

「それを喧嘩って言うんですぅぅ!」

「…というわけで今日から風祭メグに張り付く事になったんだ…聞いてるか、相棒?」

「…聞いているとも。」

「…まあ機嫌なおしてくれよ。ときめには俺から言い聞かせとくからさ。

 あいつは自分の過去がわからない。表には出さないがイラついてんだろ。

 ある程度は大目に見てやってくれ。」

「わかっているさ。ぼくもそうだった。

 ちょっと会話の波長が合わなかった…ただ、それだけだよ。

 彼女は無遠慮で、相手の気持ちが読めず、言動が常に高圧的だ。」

(ただそれだけ、ってわりには…文句が多いなぁ…)

「じゃ、じゃあ、俺はときめの現場に向かう。もしもって時は頼むぜ…」

ときめを後ろに乗せてハードボイルダーで走る翔太朗。

「あんまカリカリすんなって!おまえもそのうちすぐフィリップと馴染むよ!」

「…どーだか!あんまり波長が合う日が来るとは思えない。

 あの子毒舌だし!空気読まないし!なんか上から目線だし!

(ほぼおんなじような事言ってる!)

(こいつら似た者同士かよっ!)

「そもそも…翔太朗がちゃんと私にも連絡くれて動いてれば、

 口論になることもなかったんだけど!?」

(うわ!いきなりこっちに来た!俺か?俺が悪いのかよっ?あーもー!)

─イベント会場、風祭メグ控室

「ああ、またお客さんいっぱい来ちゃってるうう…

 マジP…マジPどこ行ったんだよ!始まっちゃう!」

イベント会場に観客の大歓声が響き渡る。

…始まっちまうな!血の祭りが!

謎のドーパントはそう呟く。

風都探偵02巻 第9話「最悪のm 1/戦姫のボディーガード」より

感想

最期に描かれていたのはメガネウラ・ドーパントというドーパントのようです。

この時点ではまだ正体は不明。一体、その正体とは?

そしてときめとフィリップは、仲良くなれるのでしょうか…。

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