風都探偵第2話「tに気をつけろ 2/相棒は魔少年」

仮面ライダーW

前回

風都探偵第1話「tに気をつけろ 1/魔女に恋した男」

内容

フィリップによって窮地を脱した翔太朗。

「?妙だな。攻撃が止んだ。」

「防御されるとは思わなかったんだろうね。

 ぼくらがただ者ではないと悟ったか…。」

「うっ!わああああっ!」

恐怖の声をあげる忠太、

そこには宙に浮かぶときめの姿があった。

「ときめ!」

「…その子も探偵?」

「…ああ。僕はフィリップ。翔太朗の相棒だ。

 かつては僕も『悪魔』とか『魔少年』とか呼ばれていてね…

 だから見に来たのさ、魔女を。」

「ふぅん…

 でも、もう私を追いかけるのはやめときなよ。

 身体をバラバラにされたくなかったら。」

そういうとときめはビルを透過するように消えてしまった。

ドサッ

あまりの光景に座り込んでしまう忠太。

「!大丈夫か、忠太さん。」

翔太朗が周りを見渡すと、見慣れた風都の風景に戻っていた。

「そうか、俺たちいつの間にか、元の風都に戻ってたのか。

 そして、ここは立川ビルの裏手だ。

 やっぱりあの裏世界の街の出口はここらへんになる、って事だな…」

「元の風都?裏世界?…だって?

 興味深い!!今すぐ君のみたものすべて!教えてくれたまえ!!

顔を輝かせて翔太朗に問いかけるフィリップ。

その光景に驚く忠太。

「あー、忠太さん。そんな引かないでくれ。

 こいつ、何かに興味が湧くと周囲が見えなくなる奴なんだ…

 おい、後にしろよフィリップ。

 正直ここは長居したくない場所…」

などとしていると立川ビルから強面の男たちがぞろぞろと出てきた。

「なん…だよな……」

立川蓮司の事務所へと連れ込まれた3人。

「またか、探偵。」

「お騒がせしてます。」

「で、また逃げられたのか?」

「ええ。壁の中にね…」

「ふざけた野郎だな。まあいい、帰んな。」

「!しかしっ、社長…」

「いいじゃねぇか。女が捕まるならこっちは大歓迎だ。

 なんなら俺も依頼にひと口乗ってもいいぞ。

 はた迷惑な魔女はとっとと捕まえて、火あぶりにでもしねえとな。」

(…そうもいかねえ。捕まえた結果が火あぶりと告白じゃあ、全く相容れないぜ。

 俺の依頼人の忠太さんのためにも、こいつらよりも先に

 もう一度、ときめを見つけねぇと…。)

鳴海探偵事務所──

「来たね!魔女っぽい…っていうかぶっちゃけメモリ犯罪者っぽいのが!」

翔太朗はメモリの映った写真を忠太に見せる。

「これは…ときめさんが持っていたのと同じ…」

ガイアメモリ…これを身体に刺した人間は中に詰められた膨大なデータを受けて超人になる。」

「ま、超人っぽい外見の奴、少ないけどねぇ…

 言っちゃ悪いけど、たいてい怪物。」

「怪…物…」

「かつて、この街にメモリをばらまいていた組織があった。

 それは壊滅したんだが、今でもメモリは街に残り、かえってレア化して

 闇取引されたりしている。

 つまり、この街には今でも人間をたやすく悪魔に変える、小さくて危険な遺産が

 数えきれないほど眠っているのさ…

 おそらく彼女も…」

「ボク!…もう…いいです…ここまでの費用はのちほどお支払いします。だから、もう…」

「待った。」

依頼をキャンセルしようとする忠太を、翔太朗が呼び止める。

「もう少しだけ俺に時間をくれないか。必ずあんたの望む結末を用意してみせる。」

「翔太朗さん…」

「俺にもこの街の…風都の探偵としての意地があるんだ。

 金も、恋も失って、あんたの心に風都の嫌悪だけが残る、

 それが俺にとっての最低の結末なんだよ。」

「そうさ。慌てて諦める必要はない。

 それに、この街にぼくたちよりメモリに詳しい人間はたぶんいないだろう。」

「…それは…そうなんでしょうけど…」

『検索』…頼めるか、相棒。

「やっと素直になったようだねぇ。」

そういうと、奥の部屋へと向かう二人。

「忠太さん、吉報を待っててくれ!」

「ネット検索…で調べるんですか?そんなボクでもできそうな事で…」

「あー、いや!まあ大規模な?地球ってゆーか、宇宙的なカンジのやつでして!」

「坪崎忠太の失望感は大きそうだね。」

「わかってるさ…急がねーと。」

「そうだね。じゃあ…検索を始めよう。」

これがフィリップの能力!

『地球の本棚』と呼ばれる脳内空間にダイブして、

地球に刻まれたあらゆる知識を得る事ができるのだ。

今、フィリップの意識は地球の記憶と直結し、それが本棚という形で表れている。

そしてその書庫の情報を、彼は愛用の白紙の本に映し出し、読む事ができる。

ただし、本棚には地球のすべての知識がある。

絞り込まずに読んでいては一生結論にたどり着かない。

俺たちが協力しあってキーワードを絞り込んでいく必要があるのだ…

「知りたい項目はメモリの『名前』。

 キーワードは『裏世界』、『別次元』、『街』、『黒』…」

フィリップがキーワードを言葉にすると、地球の本棚の本が絞られていく。

「153件が該当した。別次元に迷路を作れそうなメモリの総数だ。

 すべて読むにはなかなか面倒な数だね。」

「もう一度絞り込みたいな。『ときめ』は?」

「その名前についてはすでに検索したが、珍しい名前のわりにはあまり有効ではなかった。

 数人の実在人物と創作上のキャラクターの名前などが多少ヒットした程度だ。

 苗字がわからないのが痛いね。

 彼女が持っていたメモリのイニシャルを見なかったのかい?」

「いやそれが…色は黒だったが…

 文字はパンツで隠れてて…な…

「?パンツ?」

「黒パンツがどしたってぇ!?」

「うわあああっ!」

ガスッ

突然現れた亜樹子に驚き、負傷した手をぶつけてしまう翔太朗。

「痛ってぇ!びっくりしたあ!突然出てくんなよ亜樹子ぉ!」

その自分の手を見て、閃く翔太朗。

「そうだ!だ!追加キーワードは『高熱』!」

high temperature

「ビンゴだ。メモリの正体が判明した。

 メモリの名前は『ロード』だ。

 『高熱』はいい決め手になった。」

「あいつに攻撃された時、『痛い』よりも先に『熱い』と感じたんだ。

 切断技だが、焼き切るような力なんじゃないかと思ってな。」

「正解だ。ロードは超高速と超高熱を駆使し、空間を切り開く。

 そして別次元に道を生成するようだ。

 この空間補正能力を攻撃に生かしたのがあの切断技なんだろう。

「うーむ、なんかまたあたし、役に立っちゃったみたい!」

「おまえ、俺を驚かせただけじゃねーか!」

「きっかけが大事なのよ人生は!

 こーゆーコトも所長様の持って生まれた特性なの!」

「こっ、こいつぅぅぅぅ!」

「うっ!?」

「?」

「これはまずい……!

 翔太朗、君は裏世界の道の色を黒と表現したが、正確にはただの黒ではなかった。」

「何っ!?」

「あの道はロードの変身者自身の体成分からできている。

 つまり血の色がそのままドス黒く定着したものだ。

 ロードは異次元の迷路を作れば作るほど肉体を消費し、急速な補充を迫られる。

 ただの食事では補えない渇望感で…」

「って事は、まさか…」

「一番手っ取り早いのは…人体を直接吸収する事だ。」

「えっ!?」

【あたしはいつも飢えている。】翔太朗はときめの言葉を思い出す。

ときめが…人を食ってるっていうのか!?」

夜の街、暗闇で、何者かが人体を貪り

バラバラになった指を落としていた──

風都探偵01巻 第2話「tに気をつけろ 2/相棒は魔少年」より

感想

フィリップの地球の本棚が登場!

W本編でもこのおかげで数々の事件を解決していましたね。

人を捕食しているのは、本当にときめなのか…?はたして…

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