風都探偵第1話「tに気をつけろ 1/魔女に恋した男」

仮面ライダーW

風都探偵は、仮面ライダーWの正統続編の漫画です。週刊ビッグコミックスピリッツで現在も連載中なので、仮面ライダーWが好きだった方は是非こちらの作品もチェックして欲しいです。私も仮面ライダーWはTVシリーズは一通りみたので続きが読めて嬉しいですね。

内容

バラバラな死体

謎の美女が、バラバラになった腕を持ち上げ、地面に放り投げる。

夜の風都で、一人の男が自撮りをする。

自称、ハードボイルドな探偵、左翔太朗であった。

翔太朗の携帯に、着信が入る。

名前は亜樹子と表示されていた。

電話にでる翔太朗だったが、電話越しに亜樹子の怒声が聞こえる。

どうやら翔太朗が自撮りした写真に対して怒っているようだ。

亜樹子の要件は、依頼人が来ているという事を翔太朗に知らせたのだった。

「ふう、しっかし相変わらず小うるせえなぁ、我が所長サマは。

 結婚してもちっとも丸くならねぇ、あの女…」

次の瞬間、翔太朗の目に飛び込んできたのは

妖艶な美女の姿だった。

「マジかよ…すっげぇ、どストライクな女…」

歩みよる二人。

「おーっと…道を開けてくれるかな、レディ?

 これ以上まっすぐ進むと君の胸の凶器が俺のハートに突き刺さっちまう。」

翔太朗のハードボイルドなジョークに無言の美女だったが

言葉が零れる。

「…私はいつも飢えている。」

「え?」

「あなたは私を満たしてくれる人?」

怪しい客引きかなにかだと感じた翔太朗。

「あいにくこっちは貧乏探偵でね、夜の美女につぎ込む余裕はねーんだ。」

「…タン…テイ…?」

そういうと翔太朗と美女はそれぞれ別の道を歩み始める。

だが、美女の進んだ先は、海だった。

慌てて振り返る翔太朗。

しかし、そこに美女の姿はなかった。

「き、消えた…?」

鳴海探偵事務所

所長である亜樹子が、翔太朗の画像と父親の写真を比べ翔太朗に見せている。

「真のハードボイルド探偵はどっちかなぁ?」

「…こっち…」

亜樹子の父親の写真を指差す翔太朗。

「じゃあ!ハードボイルド気取りのナルシスト、いわゆるぅハーフボイルドくんは、

 どっちかなぁ?」

「……こっち…かな?……」

「ピンポーーン!」

「あーもう!そんなにいじめんなよ、亜樹子ォ!

 第一、おやっさんと比べちまったら誰だって半人前にみえるだろうが!」

パコン!

「痛って!」

亜樹子のスリッパが容赦なく翔太朗を襲う。

そんなやりとりをしていると、依頼人がやってくる。

男は坪崎忠太と名乗った。

「まっ…魔女を…探して欲しいんです。」

坪崎忠太32歳。

北海道から先週風都にやってきたばかりだという。

彼は実家の農家の不作を支えるため、風都に出稼ぎにやってきたらしい。

その日、坪崎忠太はバッグに新居の家具を揃えるために

資金を詰めて夜の街を帰宅していくところだった。

「私はいつも飢えている。

 あなたは私を満たしてくれる人?」

坪崎忠太はそこで彼女と出会う。

翔太朗が見た美女と同じ女だ。

忠太は、彼女に何か食べ物を買ってあげようとバッグからお金を取り出そうしたが、

その時、バッグが彼女に引き寄せられ、そのまま彼女はバッグを持っていってしまったという。

慌てて彼女を追った忠太だったが、

完全に彼女を見失ってしまい、道に迷ってしまった。

1時間ほどさまよい、ようやく見覚えのある道、夕凪街のT字路に出てきた忠太だったが

振り向くと後ろはビルの外壁だったのだ。

「ボクは、何もない行き止まりから出てきたことになります…」

「たしかに…ちょっとした怪談だな。」

ゴソッ!

事務所の奥の方から物音が聞こえた。

「ま、まだ…他にどなたかいるんですか。」

「ああ、悪い悪い。

 相棒が寝てんだ。ちょっと本を読みすぎて疲れているらしい。」

「そうでしたか…」

依頼を確認する翔太朗。

どうやら忠太はバッグに入っていたお金よりもバッグそのものを取り返したいという。

家族が贈ってくれた大切な物だというのだ。

どうにも歯切れが悪い返答をする忠太に、翔太朗はずばりと言い当てる。

「…金よりも、その女にもう一度会いたい、そういう依頼ってことでいいのかな?」

忠太は彼女に心を奪われてしまったのだ。

そんな忠太の依頼を翔太朗は受け入れる。

「依頼人は全員訳ありだ。いちいち気にしてたら探偵なんてできねえ…

 俺の尊敬する先代の言葉さ。

 街に探偵がいなかったら、他人には言えないような個人の思いを誰が聞いてやるんだよ…」

「た、探偵さんっ…!」

「お受けしましょう。魔女探し。」

忠太が帰った後、魔女について自分も会ったことを亜樹子に話す翔太朗。

「たぶんあの女に間違いない。」

「翔太朗くんも危うく獲物になるとこだったんだー。

 きっと金がないってひと目でわかったんだねー。」

「げほげほっ…ちげーよ!」

「俺の鉄のハードボイルドを感じ取って逃げたんだろうさ。

 …ま、忠太さんが入れ込んじまうのも無理ねぇわ。

 ありゃちょっと魔性、って感じだったもんなあ…。

 ともかく顔もわかってる。ほどなく捕まえてやるよ。楽勝だ。」

「…興味深い。ゾクゾクするねぇ。」

部屋の奥から本を持つ少年の声が聞こえる。

「いや、今回はおまえの力を借りるまでもねえよ、相棒。」

「早合点はいけないね、翔太朗。ぼくが興味を持っているのは君の態度だ。

 ひと目で男の心を奪う美しき魔女…どう考えても君の鬼門のジャンルだよ。

 また痛い目を見るんじゃないかと思って、さっきから背筋がゾクゾクしっぱなしだ。」

「んだとお!?」

「坪崎忠太が味わったような怪現象を、君も何か体験しなかったのかい?」

「うっ。…そういや、あん時…

 女は…海に消えた…ように見えた。

 …ふんっ…そんだけすばしっこいって事だろ?」

 忘れたのかよ。この街は俺の庭だ。

 ここで俺をまける奴がいたら会ってみたいもんだぜ。

 あっという間に捕まえてやるから、まあ見てろって。」

そういって魔女の捜索に行く、翔太朗。

亜樹子と少年は失敗フラグの積み上げを心配している。

二人の予感は的中し、

風都に詳しい翔太朗をもってしても、魔女の手掛かりはつかめなかった。

「ま、そりゃそうだよな。

 そもそも街の危険は噂は大抵俺の耳に入ってくるんだ。

 俺が初耳だった時点で、なかなか尻尾がつかめないと予期するべきだった…

 だが、その尻尾の柄くらいは見つかったようだ。」

情報屋から魔女の情報を手に入れることができた翔太朗。

T字路の魔女?…そう呼ばれているのか。」

「最近有名になってきたんだよねー。女は服を剥がれ、男は金を盗られる。

 追いかけても絶対に捕まらず、気がつくと夕凪町のT字路に立っている、って話…」

実際に追い剥ぎがあった現場にやってきた翔太朗。

そこには、魔女と呼ばれる女が立っていた。

翔太朗の姿を見つけると、逃げ出す女。

しかし、翔太朗は回り込む。

「逃がさないぜ。レディ。」

「…タンテイ。」

「覚えてくれてたとは光栄だ。

 あんたがT字路の魔女とよばれてる追い剥ぎさんだな。」

「…どう呼ばれてるかなんて知らない。魔女には違いないと思うけど…」

「俺は左翔太朗。私立探偵だ。あんた名前は?」

「…ときめ。」

「と・き・め?それが名前?苗字は?」

「知らない。調べてよ、探偵なら。」

(なんだ、こいつ…とぼけてんのか、それとも…)

ときめと名乗る女を説得する翔太朗。

しかし…

「…あんた半人前だね。」

「なっ、なんだとっ…」

「まだ半人前の探偵…だろ?」

「なっ、何度も言うな!おっ、俺はな「半熟」とか「半端」とか、「半」がつく

 言葉が大っ嫌いなんだよっ!」

「…あんた可愛いけど、役に立たなそう。

 私を満たしてくれる人じゃない。」

翔太朗に容赦なく膝蹴りをお見舞いするときめ。

翔太朗が倒れている隙に逃げ出そうとする。

「逃がすか!」

翔太朗はすぐに追いかける。

「無駄だ!この街で俺をまいたりなんかできねえぜ!」

「ここはもうあんたの街じゃない。」

「えっ…」

(どこだ?ここ!?)

街を知り尽くしているはずの翔太朗が、見覚えのない路地に迷い込んでしまう。

「待て!待ちやがれーっ!」

ときめを追いかけていたはずの翔太朗は、夕凪町のT字路のビルの中にいたのだった。

「てめえ…俺のビルにどっからは言って来た!」

「げえっ!?」

強面の男に掴まれる翔太朗。

警察に来てもらって、事なきを得る。

「すんません、立川さん。こいつが私立探偵ってのは間違いないです。」

立川という男に翔太朗の事を説明する、風都署の刃野。

「ふんっ。じゃあ本当だったって事か。魔女を追いかけてる探偵、ってのは。

 放してやれ。

 こっちもな、迷惑してるんだよ。

 魔女に化かされる場所、みたいな噂が急に立ち始めやがって、

 おかげで全然部屋が売れねえ。」

「…ふん、そりゃこんなおっかない面が並んでるせいじゃねーの…」

あわてて翔太朗の口をふさぐ刃野。

「ま、せいぜい頑張って魔女を探してくれや、探偵。

 それと…警察さんもな!」

「ジンさん、マッキー…

 申ぉ~~~し訳ないっ!」

「おめーも魔女を追っかけてたとはな、翔太朗」

「つっかー、追い剥ぎごときでジンさんが動いてたって事の方が驚きっスよ。」

「そりゃ動くさ。人が死んだからな。」

「…えっ!?」

ーカフェにて

「さ、殺人っ…ですかっ…」

翔太朗は依頼人の忠太に、事件を説明していた。

「あのT字路のビルの付近で人間の身体の一部が何度か発見されたらしいんだ。

 警察が調べたところ、その中にビルのオーナーの子飼いの用心棒と

 同じ指輪をした手首があったらしい。

 オーナーの名は立川蓮司。かなり評判の良くない企業家で、

 ビル自体も暴力団や詐欺グループを重点的に貸しているともっぱらの噂だ。

 えらく魔女を恨んでいたが、ま、手下を殺られてるんじゃな。

 それに物件が売れなくなるとか言ってたが、

 要はビルの中身が犯罪者の巣窟なんて警察にうろつかれたくないってのもあるはずだ。」

「本当に彼女が…物だけでなく人の命まで…」

「女の名前は『ときめ』。わかっているのはそれだけだ。

 どうする忠太さん?マジで殺人まで犯す相手なら警察の捜査対象だ。

 かばうリスクも倍増するって事だぜ。」

「それでも…お願いしたいです…!」

「…わかったよ。いいよな亜樹子_」

「ん。オッケー。内緒って事ね。」

「?」

「…いやこいつの旦那、風都署の刑事なんだ。」

「あー大丈夫。仕事とプライベートは分けてますんで。依頼人の秘密は守ります。」

「そうですか…

 あの…もし次に彼女が見つかりそうならボクをすぐに呼んでもらえませんか?」

忠太は必死に翔太朗に喰いかかる。

ときめに逃げられてしまった翔太朗を信じ切れてない様子だ。

そんな翔太朗の携帯に着信が入る。

「…俺だ。」

「当てようか、翔太朗。君は女を逃がした事を責められて、

 依頼人の信用を若干失い始めている…」

「うぐっ…」

「そろそろ意地を張らずにぼくの力を借りるべきじゃないかな?

 伝え聞く限り、そのときめという女、普通じゃない…」

「…メモリを使ってる、って事か?」

「メモリ?」

「あのね。この街では魔女になるなんて難しい事じゃないんです。

 魔力が詰まったこわーい小箱がこっそり売られてるんですよぉ…」

「それが…メモリ…なんですか?」

「こらっ、リリィ。面白おかしく話すんじゃない。」

「キャ。」

マスターに頭を叩かれるリリィという女性店員。

おまえだって『魔女』になりかけてたのを翔太朗くんたちに救われたのを忘れたのか。」

「あっ、そーでしたあ…」

「…とにかくだ!もう少し俺に任せてくれ。

 たしかに意地もあるが、何かまだこう…ひっかかるんだ、あの女…」

「やれやれ…本当に魔女の色香にやられてしまったんじゃないだろうね?」

(ハッ!)

「魔女の…色香!…それだ!」

何かを思いついたような翔太朗。

噴水で、裸で水浴びをする女性…ときめの姿があった。

「いくら追い剥ぎでも、レディが服を着る間ぐらいはこちらも目をつぶるぜ。」

「どうしてここが?」

「さんざん調べたが、あんたには街のどこかに住み着いてる気配がなかった。

 だが路上生活者にしては小綺麗だ。

 あんたに触れた時、女性らしい柔らかな匂いがしたからな…」

「…だから?」

「銭湯や浴場を全部洗った。

 ダメだったんで、次はホームレスの友達に聞いて回った。

 タダで体が洗える場所はどこだ、と。

 そしたら早朝のすずかぜ公園で天女みたいな女を見た、っていう奴に突き当たった。」

「…探偵って結構すごいね。」

「人を追っかけんのが商売だからな。この人覚えてるか?」

「…うん、いい人だった。」

「とぼけた事を言うな。盗んだバッグと金は?」

「金は少し使った。バッグはまだ置いてある。」

「返してやってくれ、そして…」

「ときめ…さん!ボクの話を聞いてください!

 お金の事はもういいです。バッグだけでも返してくれれば。

 だから、もう追い剥ぎなんて…!」

ドクン

「?どうした?」

ときめの様子がおかしい事に気づいた翔太朗

ときめのズボンと下着の間に挟まれたメモリを見つける。

(メモリ!?)

「…話はまた今度ね。

 カバンは諦めて。もう…この世にはないから…!」

「! 待てっ!」

逃げるときめを追いかける翔太朗と忠太。

(ま、まただ!どんどん離される!

 そして!見覚えのねえ曲がり角!

 まるで知らねえ街を回ってる感覚だ!)

「翔太朗さん!待って…翔太朗さっ…!」

「!?

 消えた!?んなバカな、なんでこんなに何度もまかれるんだっ!」

「翔太朗さん、待ってください。おかしい…この街、おかしいですよ!」

翔太朗にやっと追いついた忠太が息を切らして言う。

(忠太さんに言われた瞬間、俺は気づいた!

 俺の街・風都はその名の通り風の街だ。

 街のいたるところに風車が置かれ、常に回っている

 強風につけ、微風につけ、風都は全域において風が絶える事がほぼない

 だが…

 風がねえ!

 それに!

 道が…黒い!)

「翔太朗さん、こ、ここはっ…」

「ああ…」

ここは俺が知ってる風都じゃねえ。」

翔太朗達は、風都ではない街に、いつの間にか立っていた。

「忠太さん動くなよ。俺のそばを離れるな。」

ビュッ!

突然、翔太朗達に鋭い攻撃が襲い掛かる。

(攻撃!?)

ジュババババッ!!

地面を切り裂く鞭のような攻撃が次々に襲い掛かってくる。

ジュバババッ!!

(そうか!これが人間をバラバラに切断した技かっ!)

「忠太さん!前言撤回だ!全力で走れっ!」

「ええええっ?」

攻撃から逃げる翔太朗と忠太。

「こっちだ!!まず俺を攻撃しろ!」

忠太に攻撃がいかないよう、自分を標的にするように挑発する翔太朗。

「よしっ!」

忠太は物陰に隠れる。

「うっ!」

ドッドッドッドッ

翔太朗に複数の攻撃が一度に襲い掛かる。

(まずい!避けきれねえ!)

「翔太朗さん!」

ギャン!

ズババババッ!

その攻撃を、何かか遮り、翔太朗を守った。

「………フィリップ!」

「ねぇ、翔太朗。

 君のプライドを傷つけるつもりはないが…

 この事件はどう考えてもぼくの力が必要だと思うよ。

 ぼくたちは、二人で一人の探偵だ。

翔太朗に、手を差し伸べるフィリップ。

「ちぇっ、そうだったな……相棒!」

フィリップの手を取り、立ち上がる翔太朗。

「しょ、翔太朗さんの相棒!?」

第1話 tに気をつけろ/魔女に恋した男 ~完~

次回

第2話 tに気をつけろ/相棒は魔少年

感想

仮面ライダーWで活躍した、翔太朗とフィリップの活躍が漫画で読める風都探偵。

TVからの続編なので、仮面ライダーWを全編通してみた人はより楽しめると思います。

風都探偵を呼んでから、TVシリーズを観るのもまたいいかもしれませんね。

作画の佐藤まさき先生の美麗イラストも必見です。

カッコイイ翔太朗とフィリップ、ときめの美しい身体も見れますよっ。

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